犬やネコに種類があるように、羊毛にもたくさんの種類があります。地名からとった名前が多いようですが、中には品種改良した人の名前からとったものなどもあります。刈り取られた羊毛はプロの手で品種を分類され、専門の工場で、洗ったりゴミを取り除いたり、段階を追って加工が施されていきます。アナンダでは色々な用途に合うよう、同じ種類の羊でもいくつか異なる状態で在庫しています。
 

グリージー


(写真:ロムニー/グリージー)

羊から毛を刈り取ったままの状態で、羊が分泌した脂や汚れが残っています。(この脂を精製したものが化粧品のベースに使われる、ラノリンオイルです)略洗いをしたグリージーは扱いやすく、脂分を残して仕上げたいアウトドア用のセーターなどには最適。レインボー染めに使用した場合も表情豊かに染め上がります。アナンダが1頭単位で販売しているグリージーは、大変状態がよく、毛の房も美しく残っており、この房を利用して敷物を作ることもできます。
 

スカード


(写真:NZサウスダウン/スカード)

グリージーを洗った毛。工業的に脂分何%と指定されていて、自動的に洗い上げる長い機械を通ってくるため、手洗いしたものと比べると多少フェルト化している場合があり、房はほとんど残りません。また、多少草の種子や糞などが混入しています。 植物染色にはこれを使用し、染め上がってからカードがけをするとムラもほとんど気にならなくなります。
 

ロール


(写真:フランスNZ製ロール)

スカードをカード機にかけて、ふわふわのわた菓子のようにしたもの(ウェッブ)を大きなドラムに巻き取ってはずすと、約2m四方の大きなシート状になります。人形作りの人、大きなフェルトを作る人、贅沢な布団を作る人などに最適。見本帳の中で「スカード」とあるものは、全てロール状に加工できます。アナンダの大きなカード機で加工するので、お届けに多少時間がかかる場合があります。
 

カーデッドウール


(写真:NZサウスダウン/カーデッドウール)

スカードをカード機にかけて出てきたウェッブを、巾約20cmの帯状に巻き取ったもの。ロールを細長くしたような形状です。アナンダのカード機で加工しています。
 

スライバー


(写真:NZサウスダウン/スライバー)

スカードをカード機にかけて出てきたウェッブを、機械で細長く引いて巻き取った、ロープのような状態。もちろんこのまま紡げ、染めるのにもよい。染めたらよく広げて干すとフェルト化しません。
 

トップ


(写真:シュロプシャー/トップ)

スライバーをコーミング機にかけて、つまり櫛をかけて全てのゴミを除いたもの。外見はスライバーと同じロープ状。きれいな糸を紡ぎたい人に最適。メリノなどの細い毛は特に牧場にいるうちからゴミを取り込んでいて、洗っても頑固に取れないのですが、トップなら完璧です。

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