人はなぜ、やさしく、おおらかに生きられるのか。タゴールの学園で学んだ若い日、民話を求めて訪れた村、神や仏のやどる花と木、市場と食卓にならぶ草花…。人と植物とのかかわりを描く、「スローライフ・エッセイ」を54編収録。
初めてインドに行ったのは1972年の春だった。もう30年以上もたっているのに、あのときの感激は今でも忘れられない。ちょうどホーリー(春祭り)のころで、詩人タゴールが創設したシャンティニケトンの学園では、春の祭典が行われていた。幼稚園から大学院までの学生達が、春の到来を祝して黄色いサリーやクルターをまとい、タゴールの歌にあわせて手にした棒を打ち鳴らし、踊りながらマンゴーの木の下から出てくるのである。その歌の楽しげなリズムと、いかにもインドらしい素朴な旋律の抑揚は、知らずしらすのうちに聴くものの心を解きほぐし、軽やかな春の空気のなかへと解放してゆくのだった。(本文より)
「サラソウジュの木の下で」 - 西岡直樹著(著者サイト) - 平凡社 - 271ページ/19.4cm×13.7cm
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